これで16台目になるGXOです。72年に発売され、下位にGX、上位に2000GXが有り、この3台の最後に出された様に記憶します。という事はワールドボーイの最終モデル。この個体は前期型で価格は￥15900。トップパネルを黒く塗った後期モデルは￥17300でした。特徴は2.6Wという大出力とこの当時流行っていたFMでのトランシーバー機能。ネット上で見るとこのモデルのトランスミッターがこのクラスでは最も本格的だった由。其れよりも今日振り返ってこのモデルを見ると3バンドのポータブルラジオとして略完成形になっていたとの印象を強く持ちます。2000GXは個人的にとても好きなモデルですが普段使いには大きく重すぎます。一方のGXは小柄でデザインも良いのですがAM、FM共にGXO程目覚ましい高感度ではない様です。GXOと2000GXの高性能は最近のDPSラジオにも劣らないと言われており、実際FMをじっくり聴くような時にはアナログのこのクラスのラジオの方が音も良くしっくり来ます。ナショナルはGXO以降はクーガーシリーズでデザインや特殊な機能に的を絞ったモデルをヒットさせ、其れらは其れなりに良いモデル達ですが、このモデルの後継者たるその後の同クラスのラジオはラジオ本来の性能、機能から見て余り気合が入っていない様に感じています。個別に見れば吠えろクーガの大迫力、プロシード、ソニーのBCLラジオの様な短波の感度、選択度はこのGXOには望むべくも無いでしょうが、ラジオの基本である、音、感度、操作性、そして耐久性などの総合的な機能についてはこの頃の物が勝ります。最新のラジオは軽く、安っぽく、直ぐに壊れて直せないのも癪の種です。この個体はこれ迄のこのモデルではベスト。非常に良い状態でした。機能、音はOK、全体は整備後は写真の通り綺麗です。特にキズの目立ちやすいトップパネルの状態が良く、更に通常は取れて無くなっていることの多い前面の金属パネル類もオリジナルのままです。内外クリーニングをして、接点復活剤を必要箇所に塗布、全体はシリコンオイルを塗布して磨き上げています。相当な美品です。入手時点、電池ボックス内に腐食した電池が入ったままになっていて、ACでも電源が入らない状態だった為、早めに御蔵入りになったのが幸いした様です。勿論今は問題有りません。電池、ACコード付き。